2011年11月3日木曜日

『放射線テレックス』とは

 ベルリンから発行されている放射能問題情報誌 『Strahlentelex』 が 『放射線テレックス』 という名で通っていることについて、また 『ドイツ放射線防護協会』 との関係について、少し説明したいと思います。

 ドイツ語 Strahlen (シュトラーレン)は日本語で「放射線」。Telex (テレックス、ドイツ語としてより正確に発音するならテーレクス)は、メールよりもファックスよりもずっと古い、文字通信の方法です。

 放射線テレックスの発行人であるトーマス・デルゼー氏に尋ねてみたところ、実は1987年1月の初号は〝Strahlentelegramm〟と名付けて発行したのだそう。Telegramm (テレグラム)は電報のことです。しかし別に〝arzneitelegramm〟(医薬品電報) という情報誌がすでに発行されていて、紛らわしいとクレームがついたために次号から〝Strahlentelex〟と改名することになったとのことでした。

 電報にせよテレックスにせよ、つまりはイラストや画像を含まないシンプルな文字情報、というほどの意図で名付けたそうで、私としては、Strahlentelex を「放射線情報」や「放射線通信」と訳したほうがわかりやすかったのではないかと感じます。「テレックス」って現代に生きる人間にはあんまりピンとこないし、なんか得体のしれない専門的なことを扱っているようで、ものすごく縁遠い印象を与えてしまうような。まあ実際内容は大変専門的なのですが、ひと目タイトルを見てすっと馴染まない感じがちょっと残念だなあという感じがしました。

 しかしデルゼー氏は「放射線テレックス」という名ですでに出ているなら、わざわざ別の名前を付けて混乱を招かずともいいのでは、とのことでしたので、誌名は放射線テレックスのまま、このブログのタイトルに放射線通信と使わせてもらうことに決めた次第です。

 さて、ネット上にいくつか 『放射線テレックス』 は 『ドイツ放射線防護協会』 の機関誌である、もしくは 『放射線テレックス』=『ドイツ放射線防護協会』 というような記述が見られますが、これはどちらも正しくありません。

 『放射線テレックス』 は1987年1月から、ベルリンのいわゆる市民放射能測定所の測定結果を伝えるために発行されるようになった情報誌、『ドイツ放射線防護協会』 は1990年に設立された放射能問題を考える専門家の集まりで、その機関誌は「オット・フーク放射線研究所報 Berichte des Otto Hug Strahleninstitut」であるとホームページに明記してあります。『放射線テレックス』 と 『ドイツ放射線防護協会』 は全く異なった背景から発生していて、それぞれが独立した一機関なのです。

 とは言え、ドイツ放射線防護協会の会長セバスチャン・プフルークバイル氏は放射線テレックスの監修に携わっているし、放射線テレックス発行人のトーマス・デルゼー氏はドイツ放射線防護協会の委員のお一人です(経理担当と協会ホームページにはあります)。またお二人は、2011年9月に発表されたレポート「あらかじめ計算された放射線による死:EUと日本の食品放射能汚染制限値」も共著なさっていて、大変近しい間柄であるのは確かです。

 ちなみに、ドイツ放射線防護協会のホームページに掲載されている協会の目的は以下の通りです。

ドイツ放射線防護協会は1990年に設立された。その理由は、それまでに既存の専門的な協会や連盟では、現在得られるようになった放射線リスクや放射線防護についての知識が十分には考慮されず、実行に移されていないとの確信を創立メンバーが持ったからである。

本協会は国際的な専門協会であり、定款に従ってとりわけ次のような目的を追求する:〝.....電離放射線および非電離放射線の有害な影響から人類および環境を護るため、でき得る限りの最善を尽くす。そのためには電離放射線および非電離放射線の取り扱いは、生物学的および医学的知識に基づいて是認されるものでなくてはならない。

 次投稿は 『放射線テレックス』 の成立の経緯とそのあゆみについてです。

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